私は幼い頃、どこからか猫を拾ってきては母に「猫を飼いたい」とねだる様な子だった。
連れてきては元に戻せないという魂胆があったのだろう。
今は義両親と同居しており、猫を飼いたいが義母が猫嫌いであるため飼えない。
そこは大人なので我慢だ。
高校生ぐらいになると猫熱は落ち着き猫を拾ってくることは無くなった。
長い反抗期があり、父に反抗するようになった。
私と父の思い出
吾が父はクレイジーガイである。友達はまだいない。
夏目漱石の「吾輩は猫である」の冒頭を参考にしてみた。
頭がよく悪さはしないが、少し外れている父。
とにかくルールには厳しかった。
私が高校生の頃の門限は夕方6時だった。
ある日友達と遊んで、気付けば6時前になっていた。
帰ると夕方6時は過ぎてしまう。
これはヤバいと感じていた。
クレイジーガイである父は絶対怒っているであろう。
そのことを友人(男女1人ずつ)に説明すると「もし何故遅くなったのか聞かれたら説明するよ」と、一緒に家まで帰ってくれることになった。頼もしい限りだ。
夏だったので、外はまだ明るい。友といることは心強く、あれだけ憂鬱だったのに帰る足取りは軽やかだ。
自宅の30m手前の交差点の角にはヤマモモの木が生えている。
そのヤマモモの木を過ぎた辺りで誰かが道路の真ん中で立っているのが分かった。
よくよく見るとそれは父だった。
友達が私をかばおうと父に歩み寄ろうとしたその時、30mほど先に立っている父はこちらに向かって問答無用でこう言い放った。
モロなのかな?
モロとは?山犬です↓
30m離れていても聞こえる程の大きな声。大柄ではないが声はとんでもなく大きい。
山犬なのかな。
友人たちにはごめんねと謝り、ヤマモモの木の前で帰ってもらった。
簡単に謝って済むなど浅はかな考えだった。
しばらく父への反抗は続いた。父と似ているんだと思う。
翌日は男子にからかわれた。あさこのお父さんはクレイジーガイだと。
あーうん。モロだしね。山犬は大きいし長生きだし怖いよね。
山犬の娘はサンだし。もしかして私はサンなの!?
そんな男子諸君に言っておきたかったわ
お前にサンは救えるか?
救えなかったよね~
こちらに山犬の飼い方が載っています。↓
リードは綱引きの綱だそうです。
引用元:いぬころ
そんなクレイジーな父がいる。
もちろん人様の子に手をあげる訳はないのだが、その当時は理不尽さと意味不明な言動をする父にイライラしていた。
今では落ち着き、孫たちの良い爺ちゃんになっている。
実家に突如子猫がやってきた
実家で猫を飼っていたのは、かれこれ10年程前になる。
とてもかわいがっていた猫が亡くなってしまい、母はもう猫は飼わないと決めていた。
しかし先日、実家の母からLINEが来た。
母と、姉弟4人のグループLINEを作っており、帰省についての詳細や子の成長など連絡しあう。
猫が来た?
LINEで猫を飼い始めたと連絡が入った。
そのLINEにすぐさま飛びついたのは二番目の姉だった。
親戚が飼っている猫に子どもが産まれたらしい。
突然、あの父が家にネズミが出ると騒ぎ、ネズミ駆除のために猫を貰ってきた。(ちなみにうちにネズミが出てきたことなどない)
あの父がこんな事を言うなど意外だった。
父は猫がやってきてからネズミについて一言も発さなくなった。
そればかりか、子猫がいるのが当たり前であり、元々子猫がいたかの様に振る舞っている。子猫は父があぐらをかいた膝の間で休むのがお気に入りだそうだ。
子猫がやってきたその日から父が言うネズミは全く出なくなった。
父の心の中のネズミは子猫によって駆除されたのだろう。
恐るべき子猫の魅力。
歓喜する姉の一部始終
二番目の姉は12歳ごろまでの意識がなく、幼い頃の記憶がないらしい。
恐らく厨二病というやつだろう。そんな戯言をほざくような姉だ。
一見クールであり、知的な雰囲気を醸し出している。
情に弱く、友人を大切にする人だと妹ながら思う。
姉はここぞとばかりに喜んだ。
狂喜のあまり小躍りしている様子がLINEの中で見えてくる。
関西圏に住んでいるのだが、3連休で帰ってくるらしい。
猫のために。
関西圏から実家まで6時間程かかる。
もう一回言う。
猫のために帰ってくるらしい。
姉はここまで猫好きだっただろうか。
猫のためにお土産を買って帰るそうだ。
猫、猫言うのも何なので、「メェ」にしよう。
姉はメェのためのお土産を選ぶ。
姉「トイレは?」
もうすでに買っていると母から連絡が入った。
猫はすぐにトイレを覚える生き物である。
多分、エサ入れも姉が買ったのだろう。
フェルト製や、シリコン製のもの、猫ちぐらを選んだりしていた。
猫は狭い場所が好きな生き物である。
猫ちぐらはこちら↓
引用元:楽天市場
猫ベッドのお値段が高くてびっくりした。
ベッドが入っていた段ボールに入るかもしれないので、あまり高いベッドは辞めた方が良いと連絡した。
これが妖怪金に物言わす婆である。
猫のためならお金に糸目をつけない。大層なお金持ちという訳でもない。
一緒に暮らしていたころは「猫が好きすぎて辛い」とか「猫の本買っちゃいました」とか猫好きアピールなんて一切していなかったし、そんな雰囲気を全く感じさせなかった。
彼女に一体何が起こったのだろう。
もしかして一人暮らししている間に大自然で暮らしてたのかな?
山犬にさらわれた!!?
元々山犬の娘なのに!!?
山犬が山犬に育てられ山犬感が更に増しました。
これをワンダフルと言います。
やかましいわ
メェが可愛いねとLINEしていると
うん。いい。
可愛いもの。
あれ‥?涙まで出る系?
情に熱い姉であるが、泣くほど可愛がるとは思わなかった。
この姉は二番目の姉である。
母と一番上の姉と共に姉の歓喜具合はどこかおかしいんじゃないのか?と、少し話したが害は無いのでそのままにしておいた。
これは危険だ。
実際に会ったら歓喜のあまり爆発するパターンかもしれない。
実家に帰った姉
メェはまだ生後2カ月程度だろうか。
小さく、じゃれついてくる一番かわいい時期である。
心の声を大にしていただろう。
メェがビックリするといけないので、大きな声は出さない。大人だから。
可愛すぎて泣いていたかもしれない。
LINEにアルバム機能があるのだが、その機能でメェのアルバムを作り送ってきた。
どれだけ写真を撮ったのだろうか。
かなり低い位置から撮られている。
決して上から撮らない。目線を同じ高さにしてメェを怖がらせない様にして撮影に臨む。メェの可愛さを存分に発揮したいから。
多分こんな感じで撮ってたのだろう。
日本は空前の猫ブームである。
こんな岩合光昭スタイルで写真を撮っている日本人の何と多いこと。
姉は子猫と出会えてとても嬉しそうだった。
生まれたての猫は耳が小さく、か弱い。大体1~2ヶ月経つと耳だけがボンっと大きくなりとても可愛い。人間の赤ちゃんで言うと生後半年ぐらいの頃だろう。
メェよスクスクと生きろ。
まとめ
子猫は大人を狂喜させる
メェに初めて会った翌日、我が家で姉達とBBQをした。
姉はいつも通りのクールな調子で、メェの話は一言二言したぐらいだった。
本当に泣いたのだろうか。今度聞いてみよう。
おしまい
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